第15回日本エピジェネティクス研究会年会
九州大学医学部
2022年06月09日
P-1
ポスター発表

ヒトおよびアカゲザルのプロモータ配列比較によるメチル化解析
Alteration of promoter sequences and DNA methylation levels between human and rhesus monkey

 
青砥 早希1, 岡村 浩司1
1成育医療セ
 
CpGアイランドプロモータは脊椎動物ゲノムに広く認められ、ヒトにおいてはタンパク質をコードする遺伝子のうち約半数に、特にハウスキーピング遺伝子が有する傾向がある。一方、種間の保存性は高くなく、例えばヒトとマウスを比べた場合、配列だけでなく存在の有無さえ保存されていないことがある。今回、制御領域のゲノム塩基配列がある程度異なっていると期待されるヒトおよびアカゲザルを取り上げ、プロモータ配列の多様性を調べるモデルとした。ヒト転写開始点データベースを用いて周辺塩基配列を取り出し、それらとオーソロガスな領域をサルのプロモータ領域候補とすることで配列比較を行ったところ、ヒトとサルではCpGアイランドプロモータは比較的よく保存されており、その存在の有無に有意な差は見られなかった。しかしながら、両種においてCpGサイト数の差が顕著なプロモータ領域について調べたところ、メチル化シトシンの脱アミノ化による一塩基置換だけではなく、反復配列に起因する挿入および欠失により、CpGサイト数の変化を伴う配列の多様性が生み出されていることを確認した。他の霊長類ゲノム塩基配列と比較することで、そのような挿入欠失が起こったタイミングを特定し、CpGアイランドプロモータの獲得あるいは喪失のいずれかを把握することが可能である。これらの領域に対応するヒトゲノムのDNAメチル化状態を確認したところ、プロモータ配列が変化しているにもかかわらず、祖先配列のメチル化状態が維持されていると考えられる結果が得られた。クロマチン状態や発現にも変化はないと考えられ、DNAメチル化状態は配列変化に依存せず安定に維持されている可能性が示唆された。