2017年度生命科学系学会合同年次大会 (第40回日本分子生物学会年会) |
神戸国際展示場 |
2017年12月06日 |
1P-1330 |
ポスター発表 |
エピゲノム編集:特定のDNAメチル化領域を効率よく操作する方法の開発 Epigenome editing: manipulating DNA methylation of specific DNA loci using CRISPR/Cas9 and a repeating peptide array-based amplification |
森田 純代1, 野口 浩史2, 堀居 拓郎1, 中林 一彦3, 木村 美香1, 岡村 浩司4, 坂井 淳彦2, 中嶋 秀行2, 秦 健一郎3, 中島 欽一2, 畑田 出穂1 1群大・生調研・ゲノム, 2九大・医・基盤幹細胞, 3成育医療セ・周産期病態, 4成育医療セ・システム医学 |
ゲノム編集技術は特定のゲノムを操作する技術であるのに対し、エピゲノム編集技術とは特定のゲノム領域のエピゲノムを操作する技術である。エピゲノム編集技術の登場によってエピゲノムを操作することが可能となった。その原理はゲノム編集技術で使われる特定のDNA配列に結合できる「特異的DNA配列結合モジュール」と、エピゲノムを修飾する酵素である「エフェクターモジュール」を連結するものである。このようなシステムで、特定領域のエピゲノムを操作することが可能となり、特定遺伝子の発現を活性化したり抑制したりすることが可能である。エピジェネティック修飾のひとつであるDNAメチル化は、生命の発生や分化における遺伝子発現制御に重要な役割をもつことが明らかとなってきた。さらにDNAメチル化の異常は癌や生活習慣病といった様々な疾患の基盤となることが明らかになってきた。今までは、特定の領域のDNAメチル化の作用を調べる際には薬剤等の阻害剤を利用していたが、これでは広範囲にDNAメチル化が変化してしまい、特定領域のDNAメチル化の役割を直接的に解析することは不可能であった。エピゲノム編集技術の登場により、特定の領域のDNAメチル化、脱メチル化を操作することが可能となった。私達はCRISPR/Cas9の技術を応用し、SunTagシステムと組み合わせることで、特定のDNAメチル化領域を効率的に操作するシステムを開発した。 |