第7回日本エピジェネティクス研究会年会
奈良県新公会堂
2013年05月30日
P-16
ポスター発表

子宮平滑筋肉種の分子病態の統合解析
Integrated analysis of gene expression and DNA methylation in uterine sarcoma
 
宮田 知子1, 中林 一彦1, 岡村 浩司2, 小林 裕明3, 奥川 馨3, 矢幡 秀昭3, 園田 顕三3, 加藤 聖子3, 秦 健一郎1,
1成育医療セ・周産期病態, 2成育医療セ・システム発生・組織工学, 3九大・医・婦人科産科
 
【目的】 本研究では、悪性度が高く、診断治療方針の決定に苦慮する子宮平滑筋肉腫を対象に、染色体構造解析とDNAメチル化解析、遺伝子発現異常解析を行い、肉腫を特徴づける因子の抽出を試みた。
【方法】 正常子宮筋層、子宮平滑筋腫組織、子宮平滑筋肉腫組織、子宮平滑筋肉腫由来細胞株(SKN、SK-UT-1、SK-UT-1B)を対象とし、全CpGアイランドの96%を網羅したDNAメチル化アレイ解析、網羅的一塩基多型解析による染色体微細構造異常解析、網羅的遺伝子発現解析を行った。全ての研究計画は、所属機関倫理委員会の承認を受けて行った。
【成績】 DNAメチル化結果のクラスター解析で、正常子宮筋層・子宮平滑筋腫組織・子宮肉腫組織・肉腫細胞株は異なるクラスターを形成し、肉腫は多くの腫瘍と同様に、ゲノム全体の低メチル化傾向と一部領域の高メチル化を認めた。Gene Ontology解析で、高メチル化領域の多くがポリコームターゲット遺伝子とプロトカドヘリン遺伝子を含んでいた。メチル化レベルと遺伝子発現量は、プロモーターにCpGアイランドを有する遺伝子の転写開始点近傍で最も高く相関しており、これらを指標に肉腫特異的なメチル化変化による遺伝子発現変化を起こした領域の同定を試みた。また、染色体微細構造解析で、9番染色体に肉腫と細胞株に共通する0.5 Mbpの微細なホモ欠失領域を認めた。
【結論】 網羅的アレイで得られた膨大な解析結果を、各々のプローブが持つ位置情報や生物学的意義を加味して分類し、統計的な解析を行うことで、より詳細な結果の理解と比較検証が可能となり、肉腫を特徴づける因子を同定できる可能性が示唆された。