| 第46回日本遺伝カウンセリング学会学術集会 |
| 学術総合センター一橋講堂 |
| 2022年07月02日 |
| 招待公演 |
| 口頭発表 |
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ゲノム塩基配列を用いたディープラーニングから考察する未来の遺伝カウンセリング Understanding deep learning to contribute to the future of genetic counseling |
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岡村 浩司1 1成育医療セ |
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血液検体などからゲノムDNAを抽出、ライブラリ作製を経てシークエンシングを行うことによりFASTQフォーマットの配列データが得られる。今ではFPGAやGPGPUといった技術が使われかなり高速に処理できるようになったが、そうでなければ何日も何週間もかけ、ヒトゲノム参照配列と比較してSAM、BAM、VCFなどのファイルを経てヴァリアントの一覧を取得する。染色体上の位置から遺伝子に対応させ、さらに両親や健常者との比較、遺伝的背景を考慮した頻度や、アミノ酸配列への影響、タンパク質の機能への影響、分子間相互作用やネットワークに基づいた表現型との関わりなどを検討し遺伝子検査、遺伝子診断が行われる。この一連の流れをコンピュータで自動処理させることは可能だが、人工知能、いわゆるAIで実現させるには何をどのようにすればよいか。蓄積された知識に基づく従来の解析過程を自動化するのがAIではなく、入力データと得られている答えから逆に独自の解析ルールを導き出すのがAIであると考えていただきたい。AI導入の一つの利点は、上述したような生命科学および医学の知識が全くなくとも結果を導くことができることにある。例えば、生物学の研究者でなくても、これがカエルの配列、これがニワトリ、これがヒトなどと多量のデータを渡され、それらを使って事前の訓練を行えば、時間のかかる多数の参照配列とのアラインメントを行うことなく瞬時に生物種を判別するAIを作ることができる。あるいは、アラインメントを経たVCFの読み込みならば、瞬時に日本人か否かを判定するAIを構築することができる。今回、実際にそのようなAIをディープラーニングで実演し、行列の掛け算や足し算が延々と繰り返される中身を覗いてみる。訓練には規模の大きなコンピュータが必要とされるが、できてしまえばスマートフォンにも入ってしまうのがAIである。認識精度を高めるためには知識や経験ではなく、アノテーションされたビッグデータが必要であり、また、特に希少疾患に対しては超えなければならない壁が非常に高いことも理解できることと思う。その一方、これから100年も経てば検査どころか遺伝カウンセリング自体もAIに置き換わっていても不思議はない。良し悪しは別として、もしその仕組みを認められる形で実現させるとなれば、今、何をしておくことが必要か、AIが何を要求し何をしてくれるのかを理解した上で考えてみたい。 |