第24回日本分子生物学会年会
パシフィコ横浜
2001年12月09日
1P-057
ポスター発表

マウスインプリント遺伝子ImpactのCpGアイランド導入トランスジェニックマウスの解析
Analyses of transgenic mice bearing the differentially methylated CpG island of the mouse imprinted gene Impact
 
岡村 浩司1, 山田 洋一1,3, 萩原-竹内 百合子1, 榊 佳之1,2, 伊藤 隆司3
1東大・医科研, 2理研・ゲノム科学総研セ, 3金沢大・がん研
 
マウスImpactは父性発現インプリント遺伝子であるが、そのヒトホログIMPACTは両アレル性に発現する。 両遺伝子の構造はよく保存されているものの、マウスImpactにのみ、インプリント遺伝子に特徴的と言われている縦列反復構造を持つCpGアイランドが存在する。 更にHpa II-McrBC PCR法で遺伝子全域のメチル化を検討した結果、この領域とプロモータ領域のみが母性アレルが高メチル化、父性アレルが低メチル化状態にあることがわかった。 そこでこのアイランドがインプリンティングの成立維持に関与する可能性を検討する目的で、これを過剰に持つトランスジェニックマウスを作成して解析を行った。 ファウンダーマウスはB6系統で作成し、ライン化した後、JF系統と相互に交配して得られたF1雑種個体に対して、アレル別発現およびアレル別メチル化状態を調べた。 これまでに得られた6ラインを調べた結果では、導入したアイランドのコピー数やメチル化の有無に関わらずImpactの父性アレル発現および母性アレル高メチル化は乱れていなかった。 現在、ゲノムDNAのメチル化への影響をより詳細に検討している。